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ぼうさいこくたい2023に出展しました

 2023年9月1日、関東大震災から100年を迎えました。

あの地震災害は「東京」が襲われて被害が大きかったという伝承があまりにも前に出てしまっています。

しかし、様々な資料から見えてきたのは、神奈川は全県が被災地だったということです。最近の研究では今まで見えてこなかった県下の被害が出ています。

 このことを忘れないように、いまこの地に生きている人々によってその事実を後世に伝え、次に来る災害を広く市民の方々に伝えるために、開催地を変えながら10月に開催されている我が国最大の防災イベントである「ぼうさいこくたい」1か月繰り上げられて横浜国立大学キャンパスを会場にして開催されました。

 

 NPO ざま災害ボランティアネットワークは、自主事業「まちなか防災塾」の中で取り組んでいる「マイ発電所PT」の活動をさらに広めるための取り組みとして、「電気も自助」・・・自分の手で電気を貯めようというコンセプトで出展しました。

 私たちのブースは、1つのテントに、公益社団法人SL災害ボランティアネットワークと協働運営という形で出展しました。

公益社団法人SL災害ボランティアネットワークは、災害救援ボランティアセンター運営のDX化を目指して開発した「JOY LINKS」の展示に取り組みました。

 

 9月17日、18日の連休を使っての開催、多くの関係者は、会場が一般の住民にはあまり知られていない横浜国立大学ということでどれだけの人が参加してくれるか心配でしたが、ふたを開けてみると。両日とも32度という暑さの中にも関わらず人波が途切れることが無い状態で来てくださいました。

 お客様に「どちらから?」とお訊ねしますと、横浜という方よりも、西日本方面の方々が多いように感じました。これは、国がここ数年「南海トラフ巨大地震」からの被害を最小限に抑えようという取り組みをしてきた影響ではないでしょうか?

 

 神奈川県は、首都直下地震が起きた時の被害想定で、電気は約12日間程度、不安定な状況が続くとしています。

高度に発達した我が国の国家システム、さらには家庭の生活でも「電気」は欠かすことができないものです。

しかし、まあ、何とか3日もすればもとに戻るよ的な、与太話を信じて、私たちから見ると本当に危機管理能力と対応力の低さには驚いています。

 

 私たちは、太陽光パネルで集めた電気を蓄電ユニットに蓄電して災害時に使い正常化を待つということを目指してこの活動に取り組んできました。この活動の目線は「自分の手で蓄電ユニットを組み立てるということです。

会場には、3タイプのユニットを展示して、実際に太陽光パネルから蓄電した電気を平時の生活の中で使っている電気製品を動かして皆さんにご覧に入れました。

わが家は、屋根の上に太陽光パネルを設置してあるから大丈夫という方がおられました。しかし、詳しくお話を伺うと、発電をした電気は、自家消費し残りはいわゆる「売電」していて、蓄電をされていない方もおられました。

契約の10年間が終わるのだけど、電力会社から蓄電器を勧められているが価格が高くて、自分の余命を考えると投資額を回収はできないと思うがどうしたらよいか・・・というような相談もありました。

一方では、「えっ 12日間電気なくなるの? マジっ」「ウソーォ」「スマホダメじゃん」困るというような学生さんもおられました。

真剣に私たちの話を聞いていただき、家に帰って家族と相談しますという方もおられました。私は金沢に住んでいるのですが、金沢でこのような取り組みをしていただけないか?というようなお話も各方面からありました。

 

 電気は現在の生活の中では基幹インフラの主力です。電気が止まれば水道もダメになります。汚水処理場だって機能しなくなる。ゴミだって焼却ができなくなることも想像としてつながっていないのです。灯りが無い生活がどれほどの苦しさを招くのか?例えば介護している家族の「痰の吸引」という処置が必要になります。これも、電気が無ければ困ってしまいます。

私たちの最上位機種を用いて、隣で展示している「JOY LINKS」のパソコンを動かしていました。つまり、どのように優れたシステム、アプリも電気が途絶するとただの箱になってしまうのですよということも見えるようにしました。

 

17日には約300名、18日は200名の方々がおいでになり、見学をしたり、説明を受けてくださいました。

某工業高等学校の先生が、生徒の授業の中にこのような取り組みを入れたらどうかな?と考えました、もし上位の役職の方々に説明する時にはご協力いただけるでしょうか?というような話も出てきました。

参加して、説明員、展示品の個々の説明をしてくれたのはざま災害ボランティアネットワークの会員です。暑い中、汗を流しながら一生懸命に取り組んでくれました。ありがとうございました。

 

 このような市民目線の活動に取り組んで約15年間が過ぎました。その間には大きな災害がありました。被災地に入って活動もしてきました。平時にはその体験、知見を学校や、地域の防災セミナー、ワークショップの中で伝える活動もしてきました。学校の先生方、各種施設、行政職員の方々の研修もさせて頂いています。

 

 このような、活動が評価されたのか、内閣府より「令和5年度 防災功労者防災担当大臣表彰」を頂くことになりました。22日に東京で表彰式が行われる予定です。この件については改めてご報告させていただきます。

 

 会員の皆さん、暑い中ご苦労様でした。また、空き時間を使って、各展示ブースを回り学んでくださったようです。こうやって、市民力が座間市の危機管理力の向上につながると信じています。

また、初日は朝から、佐藤座間市長をはじめ座間市危機管理課職員の方にも会場にお運びいただきました。本当にありがとうございました。これからも共に取り組んで行きましょう。SLの皆さん、コンサイドの社員の方々もご支援いただきありがとうございました。