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協働事業②-1 防災街歩き(相模が丘編)

 令和5年度 協働事業②-1 「私の町の防災探検をしよう」が、8月19日(土曜日)相模が丘コミュニティーセンターで行われました。台風が過ぎ去った座間のまちは、ご多分に漏れずに酷暑でした。

前日に、気象庁・環境省から「熱中症アラート」の発令予報があって、当日朝、座間市の防災無線からも外出を控えるようにとの連絡がありました。

この企画の担当者は、7月中旬から下見を兼ねて街歩きをしながら作戦を練ってきましたが、残念ながら第2部の「街歩き」の部分は、別のプログラムに差し替えて行いました。 またの機会にしたいと思います。やはり、夏休みの最中ということもありできれば「自由研究」の材料になって欲しいと思いましたが参加者は6名と少なかったですが、お忙しい中、佐藤市長も受講生として参加していただきました。

 

また、この企画は➁-2で9月30日に四ツ谷・新田宿コミュニティーセンターで「水災害」についてのDIGを行う予定です。


最初に、座間市危機管理課の職員の方より「座間市のハザードマップ」についての説明がありました。相模が丘のこの地域は、「水災害」には縁遠いと思われている方が多いと思います。

8月のお盆前の混雑を避けて夏休みを取って旅行されていた方が、迷走超スロー台風6号そして、台風7号に巻き込まれて大変な思いをされたことは知っていると思います。

 幸いにして、関東地方はさほど大きな被害は出なかったのですが、台風から遠く離れた地域で、8月1か月間の降雨量を超える雨が降った記録が報道されていました。

降り始めから約30時間で600ミリという雨は、漠然としていてピンとこない方が多いと思いますが1平方センチの升目に60センチの雨が降るということです。これはとてつもないことで、鳥取県では鉄筋コンクリートの橋脚が大量の雨水に押されて流されてきた倒木や岩石によって流されてしまうような被害が出ています。

 座間市の相模が丘地区は、相模台という平坦な台地に開発された町なので、「水による災害」はあまり考えたことがない方がいると思います。しかし、現在の都市の設計では道路の下に埋設されている下水管は、時間降雨量50ミリで溢れないようになっています。ところが、今では座間市でも、時々時間降雨量50ミリを超えて80ミリ程度の雨が降ることがあります。そうなると、処理できない雨水はマンホールからあふれ出て、周囲の道路や地面に流れ出し、平坦だと思っていた場所の低い場所に流れてきて溜まってしまい思わぬ深さになる危険性があります。これを「内水氾濫」と呼び今では補修されたので治りましたが、腰位水がたまる箇所もあったのです。

これらの、自然災害から起きることを予測した地図を「ハザードマップ」と呼びます。座間市のホームページからのアクセスの方法などの説明がありました。いつでも、自分の周りの「ハザード情報」を知ることによって「災害からの被害を守る」ことができます。活用してください。

 

 次いで、第2部の町歩きの前の学習として、DIGというゲームをしました。

これは、自分の住んでいる場所の「地図」を使って普段何気なく使っている地図の中に埋め込まれている「情報」を目を凝らして、その周辺に埋まっている「施設」「川」「道路」「鉄道」「小さな道」「商業施設」「ガソリンスタンド」など、さらに標高などの情報から、「安全場所」反対に「危ない場所」、もし地震が来て火が出た時の風向きによってどのように燃え広がるのかなどについてイメージを持ちながら、指定された色の線や、シールを貼って町の中の姿を一目のうちに浮かび上がらせる作業をしました。

 何時も、通勤の時に歩いている道がどこに繋がっているかということは、忙しい人々にはよくわかっていないのです。「住んでいる」という関係は、駅と自宅までが座間市のすべてになっているのです。

 むしろ、奥様や、お子さんの方が知っていることの方が多いのです。避難所ということは聞いていても、いざというときにどの方角に歩いて行けばよいのかわからない方も多いと思うのです。

1つの道を知っていても、万一、その道で塀が倒れていたり火が迫ってきたときには逃げ場がわからなくなってしまう例があります。

 そのような、作業を今日、初めて顔を合わせた人同士が、個人個人がもっている情報を出しあって「相模が丘」の防災マップ作りにつなげる予定でした。

 残念ながら、熱中症アラートのために、自分の足で地図と見比べながら確認し合うことができませんでした。

皆さんには、それぞれ、縮尺が小さな地図をお渡ししましたので、お家で家族同士で話し合って「我が家の防災マップ」を作ってください。

 


 昼食後、街歩きに代わって、災害の時の「マイタイムライン」を作る作業を行いました。

このワークショップは、「発災後の3:3:3」というプログラムで今までも、市内外の減災・災害対応講座では、受講者のレベルに合わせて地震直後の「シェイクアウト行動」を含めて発災直後の3分間どのような行動を取るかを書き出してもらいます。そして皆さんで情報交換をしてもらいます。

 ついて、3時間後にはどのような行動を取るかを考えます。3時間という時間を長く感じるか、短く感じるかこれは人によって様々です。よく「頭の中が真っ白になってしまった」という話を聞きます。大規模な災害の時に合われた方の話を聞くと、直後から1日ぐらいの行動の記憶が残っていないという方が多くいます。これを「空白の時間」と呼んでいます。この時間が短ければ自分が助かる確率、隣人に手を差し延べることができる確率も高くなります。

さらに72時間(3日間)までの行動を考えておくことが大事なのです。

 色々なことを書くのですが、その順序がどうなのか‥‥これも大切なのです。多くの方々は、書き出すときに「時刻」というものを忘れて書いています。「隣人を助ける」と書きますが、一人で助け出すことはできません。そうなれば大勢の人々を集めて力を合わせて行わなければ2次被害が出ます。もし、時刻が午前2時だったらどうでしょうか?人を集めることはできません。そういうことも含めて考えなければならないのです。

 どうか、災害時のタイムラインについても家族で話し合ってください。

最後に、「避難」ということについて説明させていただきました。避難というとまだかなりの方が「避難所へ行くこと」だと思っている人がいます。また、そのように思い込んでいる人もいます。

避難という字を見ればわかるように、「難」を「避ける」ことが「避難「」なのです。つまり、今いるところが危険だと判断した時に、安全な場所に移動することなのです。避難所は安全ですか?とお聞きしても答えがありません。    過去において災害に合われて苦労された方々は「あんな危ない所はなかった」「3日いたけど電車が動いたので親戚に行った」というように「安全な場所」を求めて動く方が多いのです。

 では、あなたにとって「安全な場所は」とお訊ねすると「我が家」と多くの方が答えます。

しかし、それだって、普段の生活の中で自然に「安全が確保される」ことができているかにかかっています。

最後に、備えにについてお話ししました。➀出す、②水、③食べる、④情報・灯り、⑤大判厚手のブルーシート+皮手袋、⑥ガラ袋を揃えてくださいということをお願いしました。

 最後に、今日のDIGの学びについて

三條SLから話してもらいました。なにも難しいことではなく 基本は「自助」が60%そして共助ではなく「隣助」が30%であること、残りの10%は「共助」かもしれないし、「ボランティアの助け」かもしれないし「公助」かもしれない。普段からのつながりつくりが大事なのです。

 備えの順序を再度説明してもらいました。そして、高齢化の進む中で時間帯によっては「支援力」は十分でないこと、その時に頼れるのが「災害救援ボランティアセンター」からの活動ボランティアであり、良い支援を受けるには助けてもらう側の「受援力」を養っておくことも大事であることを説明してもらいました。良い受援力とは「ありがとうございました」という言葉なのです。

 今、日本が備えなければならないものは「T・K・B」であること・・・避難生活を少しでも楽に過ごせる条件は「T・トイレ」、「K・キッチン」「B・ベッド」であることを行政が気づき備えなければならないことを要望しておしまいにしました。

 長時間にわたる講座でしたが。最後まで真剣に考えて何とか周囲の人に伝えたいという熱心な受講者が多くおられました。ありがとうございました。