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2020年座間市総合防災訓練に参加しました

 9月5日、2020年度 座間市総合防災訓練に参加しました。

今年の防災訓練は、新型コロナウイルス(以下COVID-19)感染防止ということで県央地区の市町村ではほとんどが、実施を見送りました。

座間市では、このような時こそ、最良の策をを講じて本気の取り組みをするということで開催することになったそうです。これには、賛成です。多くの訓練は、「感染症があることを想定して・・・」というような気分で計画が立てられて実施されますが、今回は本物なのです。絶対に失敗は許されません。

 

 私たちも、地域防災計画に沿って、災害救援ボランティアセンター(以下VC)開設・運営訓練を行いました。今年は、計画で定められている「座間市総合福祉会館(サニープレイス)」が大規模改修工事に入っている関係上、初めて本会場でのVCの訓練を行いました。通常の訓練の場合には地域防災計画で定められているサニープレイスを「地域会場」として参加して、本会場には、VCサテライトという形で出場していました。

 

 災害は、どのような形で発生するかわかりません。どんな形であっても発災からおおむね3日から5日後にはVCを開設できるようにと訓練は、約13年間、秋の総合防災訓練や、冬の独自の訓練で取り組んできました。従って、参加者である座間市社会福祉協議会の基幹要員並びにZSVNの主要メンバーは、展開図をいかようにも描き、配置、動線の構築はできるレベルになっています。しかし、座間市社会福祉協議会にも新規職員や異動でVCの作業にかかわらない職員もおります。ZSVNでも新入会員は初めての体験の方もいますので、事前の打ち合わせなどを行って訓練に臨みました。

 

 特に、COVID-19の下での訓練は初めてのことです。ソーシャルディスタンスを確保したVCの運営はどのようなものなのかということを、現に感染状況にある中で、お互いに考えながら取り組むことにしました。

ZSVNは、公社SL災害ボランティアネットワークの活動の一端として、感染防止ガウンを製作している最中です。

この酷暑の中、ガウンを着用して総合受付業務を行うには何が必要なのかということに重きを置いて運営訓練参加者の服装、装備、体調管理を含めて会場での注意などに気を配りながら取り組みました。

代表をはじめ受付担当者3名は、会場入り口で来場者への応対を行うために「感染予防ガウン」を着用して訓練に参加しました。外気温は32度の中で、ビニール製のガウンを着用するとどのような体感があるのかを試しました。着用したのは、試作段階で実用レベルには配備できないとされたものを身に付けました。

着用して約20分を経過すると、発汗した水分が、ガウンの袖の部分に水滴上に張り付いてきました。

内側にビニール部分が直接、腕にまとわりつかないように不織布を張り付けていますので、べとべと感はあまりありませんでした。(これは成果だったと思います)

やがて、身体全体が熱に覆われる感覚が出てきました。約30分もすると袖口から汗がポタポタと落ちてきました。連続して着用するのは、40分が限界の感じでした。災害です。何が起きるかわかりません。VCに来られる方の体調はどうなのかはわかりません。しかし、VCでは比較的若い方が来られるのでリスクはさほど高くないと思われます。

このガウンは、主として避難所で使用することを想定しています。避難所では、受け入れ対象者(避難所に来られた避難者)の健康状況はわかりません。絶対に欠かすことのできない用具の一つだと感じました。今後、避難所開設訓練でも着用して的確な使用方法を伝えてゆきたいと思います。

 

 今日の訓練は、市民への参加呼びかけはしませんでした。災害時に座間市連携活動をすることになっている関係者(団体)との協働訓練となっていました。その点は、負担は少なく感じました。VCに来られた方には、本会場に設けましたサテライトのテントの下で「広島プラダン」というものを製作する作業へ派遣をしました。このプラダンというのは、土嚢袋に泥や汚泥、砂等を掬い上げて入れるときの事故を少なくすること、限られたボランティアを有効に使うために開発されたものです。

養生作業などに使われている、プラスチック製段ボールを指して略して「プラダン」と呼ばれています。

これを裁断したものを筒状に組み立てホッチキスで固定をして、ガムテープで補強したものです。これに土嚢袋を覆い又は、土嚢袋の中にプラダンを差し込んで、「自立させる」ことで従来は、土嚢袋の口を広げて支える作業者と、その袋の中に泥を入れる作業者の二人でやっていた作業が一人で可能になるという優れものです。何よりも、支えている作業者の顔の前に鉄製のスコップが出てくることで、疲労度が高まると、スコップが顔にあたる事故を防止できる効果もあります。

 

 余談ですが、先日、熊本県を襲った水害被害地にもストックしてありましたプラダンを送り込ませていただきました。西日本水害の時にはまだそれほど知られていませんでしたが、今回の九州水害では、各災害救援ボランティアセンターから提供の依頼が出てきました。ようやく、メジャーな資機材になったと思います。今回も約50枚のプラダンを積み増すことが出来ました。

 

 VCというのは、市民の方々にはあまりよく知られていません。災害で、助けが必要な時には、市役所に言っても対応することは不可能です。そのような「被災者が助けて」と手を挙げる場所がVCです。ここには、助けてあげたいという救援ボランティアが来ます。ここでその両者をつないで生活の復旧作業を加速させるための場所であることを伝えました。

 

 本会場では、座間市災害対策本部、消防団、水防団、常備消防隊、救急隊、神奈川県警、所轄警察、自衛隊(機甲施設部隊)、米軍消防隊、医療関係者、そのほか、電力会社、ガス会社、郵便局、トラック協会、建設協会、救助犬、アマチュア無線機団体などが参加して総合訓練が行われていました。

毎年、A新聞社で印刷される号外は今年はありませんでした。例年より参加者、見学者は少なくて場内は多少さみしかった感じもしましたが、COVID-19の下での災害への対応について、熱中症予防の対応等、苛烈化する気象などの状況下で「いつ、だれが、何を、どうする」という災害時のタイムラインの確認もできたのではないかと思いました。

 

 マスクを着用して訓練をするということは、一般市民感覚ではありえないことだったと思います。

行政職員だってそのような状況下で災害が来るということは漠としたイメージはあったと思いますが、これほど身体に堪えるということを再確認することが出来たと思います。

ZSVNでも、このような中での被災地支援ということを真剣に考える課題をいただけたと思います。対応できる団体としての装備も充実させなければならないと感じました。

暑い中、最後まで取り組んんでくださった会員の方に感謝をします。