災害の時の食事を「災害食」といいます。


 災害が起きた時に、大事なことは特別なものを食べるのではなく普段食べているものを食べられる状態を作ることが一番なのです。いわゆる、備蓄食品は、保存期間を管理しないとロスが出ます。災害時に「ごみ」を増やすことは復旧活動にも障害となります。コンパクトに乗り切ることが大事です。

 確かに、災害食は、ここ数年各食品メーカーの努力によって格段の進歩がみられることも事実です。特に、食物アレルギーに対しても研究が進みグルテンフリーの食物が販売されて以前に比べて心配なく食べることができるようになりました。日本人やアジア系の方々にとっては「米飯」が一番体に合っているといわれています。

 2020年初頭から、新型コロナウイルス(以下(COVID-19))が蔓延して非常事態宣言が発出して、生活にも大きな変化が出てきています。

従来は、災害に備えて避難所などでの緊急の炊き出しは、大きなサイズ(50人分)の「アルファー化米」をお湯または、水でもどして、フードパックに取り分けて配食するのが一般的でした。(COVID-19)により、大人数用の食物をしゃもじや箸、スプーンんで取り分けるとこは、感染リスクが高いということから、現在は小分けした、アルファー化米を配って、個々人が、お湯または水を入れて戻して食するいわゆる「個食」が推奨されています。

 アルファー化米とは、炊飯または蒸煮(じょうしゃ)などの加水加熱によって米の澱粉をアルファ化(糊化)させたのち、乾燥処理によってその糊化の状態を固定させた乾燥米飯のことです。加水加熱により糊化した米澱粉は、放熱とともに徐々に再ベータ化(老化)し食味が劣化しますが、アルファ化米はこの老化が起こる前に特殊な方法で乾燥処理を施した米飯です。アルファ化米は熱湯や冷水を注入することで元の米飯へ復元し可食の状態となります。白米に、フリーズドライした「具材」を混ぜ合わすことによっていわゆる「焚き込みごはん」のような食味の米食が提供されます。

 課題は、価格が高いことと、賞味期間の管理が必要なことです。

一般の在宅被災者への給食はなかなか届きません。その時に私たちはどのようにして災害初動期の食事を考え備えなければならないのでしょうか。私たちは、数をかけないで「米飯」、「パスタ」、「蒸しケーキ」、「副食類」が調理できれば、何も高価なものを備蓄しなくても良いのではないかということで、災害時の食事をできるだけ平時の状態で食べることを考えて「非常用炊き出し袋」というポリプロピレン製(以下PP)の袋を使って食材類を調理をして乗り切ろうという取り組みをしています。


非常用炊出し袋って・・・???


 非常用炊き出し袋は、PPで作られているために約130度の熱にも耐えることができます。当団体では、この袋20枚と輪ゴム25本をセットにしてマニュアルをチャック付のビニール製の袋に同封して販売をしています。

この袋に、目印の線に従って米を入れて、コメの分量の1.2倍の水を入れて空気を抜いて、ボイルするだけで普段食べているご飯ができてしまうのです。

 災害時には、水が大切です。水の代わりにはジュースや、コーラ、お茶などでも焚くことができます。それぞれ独特な味があり変化を楽しむことができます。袋に入った具材をボイルするために用いる水は、お風呂の残り水で十分です。何よりも食後の食器や鍋などを洗うということは少ない貴重な水を使うことになります。ごみも最小に抑えるエコ炊飯です。

 TVの番組などでチャック式の冷蔵・冷凍食品を保存するために使われるビニール製の袋を使って調理をしている情報番組がありますが、この袋は絶対に使わないでください。(箱書きの注意書きをよく読んで)大切な食材が鍋の中に出てしまったり、やけどをする危険性もあります。

 

余談ですが、この製品はZSVNが市内の小規模作業所に仕事として依頼して工賃を払う形で少しでも地域の経済面でも回る取り組みを行っています。

現在は、座間市役所ふれあい会館の社会福祉協議会の売店「ほほえみ」、小田急線相武台前駅南口徒歩6分になる「コミュカフェLINKS」内の「本気防災そなえ亭」で取り扱うほか、直接当団体へご連絡いただければお分けします。


災害食を作り、食べる体験しよう


「非常用炊き出し袋」を使って「災害食」に挑戦するワークショップをします。

お米を袋に入れる➡約20分間水を吸わせる➡沸騰した鍋などに入れて25分間ボイルする➡鍋から出して封を切ってタオルなどで包んで20分以上蒸らす。

 これで日常食べているご飯を食べることができます。

ただ、災害時に備えてちょっとした工夫が必要になります。それらの「コツ」を皆さんで学んでいただきたいのです。

また、副食なども簡単にできます。カレー、スープ類、煮物なども簡単です。さらにパスタを使った料理は本当に楽しくなります。災害時には気持ちが暗くなります。ご近所の方で集まって炊き出しをすることが大事です。

そのような行動が、お隣同士を繋ぐ「隣助」になると思います。

調理した食事を食べる工夫も必要なのです。熱源のことも考えなければなりません。たった1枚の非常用炊出し袋使うことで災害から立ち上がる力が湧いてくると思います。

現に中越地震は2004年10月23日に発災しました。この時期は被災地では秋も深まり初冬の季節に入っていました。救援に入ったボランティア団体がこの袋を用いて給食を提供しました。袋を切らずに配食しましたら、その袋を胸の中に入れて「カイロ」がわりにしていたという報告もあります。

災害というのは、普段の発想ではない「非常識」の方が力を発揮しますね。

さらに、この袋にホットケーキミックスを入れてボイルすると「蒸しケーキ」ができます。お菓子もなかなか手に入らない状況下で、甘みを感じるケーキや蒸しパンのようなものは、子供たちを喜ばせると思います。

みなさんの知恵を集結して「災害食レシピ」作りに挑戦しましょう。 

パスタもできます。マカロニサラダも
パスタもできます。マカロニサラダも