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災害救援ボランティア養成講座 神奈川第74期県央・相模原講座が終了しました。

 約2年間、活動が制限されてきましたSL災害救援ボランティア養成講座が、コロナの鎮静化傾向を受けてプログラムを可能な限りもとに戻しながら行われました。

 神奈川県央・相模原講座は、座間市の消防本部並びに本署の協力を得ながら施設並びに指導員に現役の消防、救急隊員の方々の下で実技訓練を受けられるという恵まれた環境の下で、3日間の講座を行いました。

 2月という寒い時期、また、心理的には、まだ「集まる」ということに抵抗が残る中にあっても10名の受講者を対象に2月5日、11日、12日の3日間をかけて行われました。今までは、災害時のマイタイムラインをグループで話し合いながら考える「発災後の3:3:3」のワークショップは、感染の危険性があってはならないということから、受講生個々人が考えてまとめるという苦肉の策のワークショップ方式を取ってきましたが、今回の講座から、できる範囲内でグループで意見交換をしながら元の姿に変えることができました。

 また、この講座独自の、災害の前の備え「減災対応活動」を学ぶという体験型のワークショップは、ざま災害ボランティアネットワークの機材を使って行ってきましたが、今回は解説や指導、体験にあたって大きな声を発して行いました。

 折も折、2月6日 トルコでM7クラスの地震が2回連続して発生し、トルコ並びに国境を接しているシリアで多数の建物が倒壊し2月12日現在、3万人を超える犠牲者が出ている中での講座でした。

このことは、受講者にとって、そして主催者側の私たちにとっても、決して他人事ではないのです。神奈川県県央域を含む首都圏域で想定される「首都直下地震」のもたらす被害をイメージすることができたのではないかと思います。いつ来てもおかしくないといわれている災害環境の中で、「助けられる人」から「助けることができる人」になるための講座は受講生一人一人の胸に残っていると思います。

 さらに、2023年は、1923年9月1日に東京府から神奈川県一帯に大きな被害をもたらせた、関東大震災から100年を迎える節目の年でもあります。このような時期にこそ、災害について体系的に学びかつ、知識だけではなく技を学べるこの講座は有意義だと思います。

私たち、公益社団法人SL災害ボランティアネットワークは、この講座を受講した方々が、単に知識を学びそれで災害対応活動をしているように見せる団体とは異なり、学んだことを基に、もっと深く地域とつながって減災活動や災害対応活動に参加できるような活動のネットワークを持っています。地域の市民の方々や教育機関、さらには行政、社会福祉協議会などとつながって、何時、災害が起きても「わが身、わが命を守る」ことができ、家族の安全を確保したうえで、被災者の方々を助ける活動ができることを目指して活動をしています。単に知識を身に着けてもダメで、いかに日頃からネットワークを構築して「顔が見える関係」を維持、発展させなければ何も役に立たないと思っています。

 究極は「生き残らなければ何も始まらない」ということです。この言葉の重みを感じながらこれからも活動に参加して欲しいと願いながら受講生に修了証をお渡しすることが出来ました。

講座の運営に協力・支援してくださった関係者の皆さんがた本当にご苦労様でした。

次の講座は、本年7月に開催予定です。日程が決まり次第告知を行いたいと思います。