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第32回 神奈川地域社会事業賞の受賞が決まりました

神奈川新聞社様よりご連絡があり、

「第32回神奈川地域社会事業賞」の受賞決定の連絡をいただきました。表彰式は12月7日とのことです。

 

約11年間、座間市を中心として東京都、神奈川県、千葉県等を中心として、市民を対象とした減災・災害対応活動並びに行政との減災に関する協働事業や学校防災教育授業支援活動、被災地への応急支援や復興地コミュニティー維持を目的とした「たい焼きプロジェクト」活動などが評価されての表彰だとのことです。

今年度は、県内から28団体の応募があり、外部委員を含む8人の審査員の方々による審査会で厳正な審査の結果だとの連絡をいただきました。

11年の間には、様々な災害がありました。また、活動の中心であった座間市でも防災行政に大きな変革がありました。

その一つが、神奈川県内で一番最初に取り組んだ「ShakeOut訓練」です。地震災害をはじめ、自らの「いのち」にかかわる危機があった場合に、身を守る行動訓練です。

 

 座間市は2020年1月23日に向けて8回目の訓練がスタートしました。

初回の2012年1月は、市内人口の3万人の参加を目指してスタートしました。その後、回を重ねるごとに参加登録人員は増えて、ここ5年間は、昼間人口の約50%を超える市民、事業者、教育機関、商業施設、公的機関などが参加をするまでに成長しました。

この活動が、高く評価され2015年3月に仙台で行われた第3回国連国際防災会議のパブリックフォーラムで発表の機会をいただくことが出来ました。そして、神奈川県も「かながわShake Out訓練」を導入することになりました。

 

 このような活動が引き金となり、座間市は避難所運営委員会を設置して、各避難所の開設・運営訓練を展開するに至りました。また、座間市はShake Out+1訓練にも取り組み、それぞれの部署の職員が自発的に地域防災計画に定められている災害対応業務を展開するまでに至りました。この成果は、2019年10月の台風15号並びに19号の時の対応にも素晴らしい成果を残すまでに至りました。

市民団体と行政が「協働事業」という形で、市民参加型の防災行政を推進できることは、「災害をわがことにする」という意識の強化につながるものと思っています。

 

 被災地支援においては、2011年3月11日のいわゆる東日本大震災への支援活動に取り組みました。その後、座間市民からの支援をいただきながら約6年間、東北被災地で私たち団体の特技であります「たい焼きプロジェクト」が被災地の仮設住宅の集会場や、災害救援ボランティアセンター、商業施設などを巡回して復興のお手伝いをさせていただきました。

その後、熊本地震、九州北部水害被災地である朝倉市、西日本水害地である倉敷市真備町などでも「たい焼き」をお届けしてきました。

 

 いつ来るかわからない災害は、市民にとっては最大の不安です。

多くの市民は、いざという時には市役所や県や国が助けてくれるという安易な依存的な考え方が多かったのですが、私たちの活動を通じて、「自助」の必要性さらには「隣助」の大切さを知るようになったと思います。

地域コミュニティーが溶け始めている現代社会で発災直後に頼れるのは「隣助」(向こう三軒両隣)だということを伝え続けています。その後、そのつながりが広がるにしたがって「共助」が機能するということをひたすら伝え続けております。

 

 そして、究極の自助とは「避難所に頼ることのない被災後の生活」を構築することだということの啓発を続けています。

これらは、各地被災地を巡って、被災者の方々からお聞きした生々しいお話などから私たちなりに感じた教訓です。

 

 今、私たちは、災害時の空白地帯となる「児童ホームの防災事業」を座間市と協働で取り組んでいます。共働き世帯が多くなる中で子どもたちは「児童ホーム」の利用度合いが高くなってきています。

一方では、3・11の教訓として自治体は、帰宅困難者を抑制する施策を打ち出しています。つまり災害直後の帰宅はしない。企業内で留め置くことが原則になりました。

その時、空白地帯で戸惑うのは「児童ホーム」の利用者である「児童」です。この子供たちの「いのち」を守るシステムが安全側に機能することが大事だと思うからです。

 

 さらに、東日本地震からの教訓で基に「マイ発電所プロジェクト」という活動も行っています。私たちの心配が当たったのが、北海道胆振東部地震そして今年発生した千葉県下を襲った「ブラックアウト」です。電気も「自助」なのです。この活動もさらに強化して進めてゆこうと思います。

 

 私たちは、今回の表彰に奢ることなく私たちは「できることを、できるときに、できるだけ」の精神で災害で「死なない」「けがをしない」「火事を出さない」という基本中の基本行動の普及啓発に取り組みたいと思っています。

この受賞は、皆様方の暖かいご支援でいただけた賞だと思っています。今後ともご支援をお願いします。