関東大震災90周年に思うこと

  9月1日です。全国の多くの自治体が防災訓練を行っています。

 言うまでもなく大正12年9月1日 午前11時58分 相模湾北西沖 80キロ震源とするM7.9の地震が起きて神奈川県、東京都、静岡県など広域な範囲に甚大な被害をもたらした「関東大震災」を記念して「防災の日」として、気持ちを引き締める意味を込めて各所で訓練が行われてきています。

今年は、発災からちょうど90周年になります。

 関東大震災を起こした地震の周期については諸説があります。おおむね200年から220年ぐらいとされていますのでまだ時間的には余裕があると思われがちですが、そこが落とし穴だといわれています。この規模の地震と地震の間には、おおむね70年から100年周期でM7クラスの地震が起きていることは過去の記録からはっきりしているようです。

 その種の地震が、いま注目されている首都直下地震といわれているものです。首都の下、関東ローム層の下にはプレートが複雑に重なり合ってそのプレートにかかるストレスが、いわゆる歪となりその歪が極点に達したところでエネルギーの放出が行われ地震となるといううのが現在の地震発生の、メカニズムを説明する有力な考え方の一つとされています。

 どのあたりに歪があるのかというのは、最近の研究でかなりわかってきているようです。
一般的にはフィリピン海プレートは従来の考えよりも浅いところにあることが判明しました。ということは、地表面の揺れは激しくなるということが推測されます。
その研究をもとに、首都直下地震が起きた時、放出エネルギーを基準に、一番被害が大きくなる震源はどこだろうかという想定を求めた結果が「東京湾北部地震」と呼ばれる地震になっています。川崎市は、川崎直下地震(震央を高津区)あたりに求めて被害想定をしています。

 いずれにしても、M7クラスの地震が30年の間に起きる確率という表現を用いれば70%ということが公表されています。おおむねゴールが決まっていて「今日、地震が起きなかった」ということは、発生の危険率は高くなってきますよね。1995年阪神・淡路地域を襲った地震は、30年間発生確率は8%程度だったといわれています。このことをどのように捉えるかはそれぞれの方々にお任せします。

 しかし、今の小中高そして大学生世代は、確実に大規模災害に巻き込まれる可能性が大きいということです。したがって、この年齢層に対しての「減災教育」「災害対応行動訓練」を教科として学ぶ必要があるということです。
地震はどのようなことをしても防ぐことが出来ない災害です。したがって「防災」という考え方は当てはまらないというのが私の持論です。
出来ることは「被害を少なくすること」すなわち「減災をどのようにするか」ということと、災害が起きてしまった時に「どのように対応行動を取るのか」という行動、サバイバルの技を教えておくことが必要だと思うのです。

 2011年3月に、釜石市で起きてしまった二つの事象を見れば教育、訓練の大切さが見えてきます。
「逃げることが命を守ること」という教育というよりも習慣を身につけさせてきたことによって被害を最小限にとどめた地区があります。そのすぐ隣の地区では、リアルな訓練が行われていなかったことがもたらせた被害だったと言われています。
とかく、訓練は便宜的に執行者の都合に合わせて行われがちです。
しかし、そのような訓練が繰り返し行われると参加者に「誤った行動」を植え付けてしまうということなのです。訓練執行者はご苦労かもしれませんが、訓練はよりリアリティーを持って行うこと・・・・それが結果として「いのち」を守ることにつながるのだと思います。

もう一度、「地震を自分のこと」として考える機会の日にしていただきたいと思います。