かながわ・よこはま防災ギャザリングに参加してきました

     炊出し袋に米を正確に計量します
     炊出し袋に米を正確に計量します

 SL県央・相模原ネットの一員として防災ギャザリングへ参加してきました。今年度の私たちの団体の担当は、災害食の普及活動をテーマとして「非常炊出し袋」による「炊出し作業と災害食による配食」を担当しました。

県央相模原ネットからの参加者とSL活動者が11名が中心となり、そのほかSLのメンバーが支援してくれました。今日の炊出し予定数は500食と本部からの指示を受けての準備をして指定された場所にテントを張りました。「ざま災害ボランティアネットワーク」と鮮やかに描かれた水色にテントのもとに炊き出し用のLPGボンベ2本、炊き出し用のコンロ4台、炊き出し用の寸胴が大小合わせて4つが準備されました。そのほか体験をしてもらうテーブルの上には、必要となるコメ入れの容器、メジャー、水差し、炊き出し用袋などが3ラインが準備されました。

これ等の資機材は、テーブル以外はすべて、ざま災害ボランティアネットワークの災害対応のための資機材です。災害救援ボランティア団体は、その名乗りの責任を果たすためにも自前の装備品がなければ自立した活動はできないという判断から約10年かけて備えたものです。

9時30分ごろから、イベントに参加する来場者が来ました。受付を済ませて最初の体験が「災害食の炊出し体験」なのです。

 

 来場者の方々には先ず次のことをレクチャーしました。

体験用の列に並ぶ前に、「なぜ?」「このような手法」「炊き出し作業」を行う必要があるのか(理由)ということの説明をしました。

  災害時には水の供給が止まる。電気、ガスも止まり、物流も止まることをイメージしていただきます。

その中で私たちは、何を食べて「いのち」を繋いでゆくのか。

備蓄用食料である「アルファー米」はあくまでも緊急的な食糧であり、数に限界があること、味には個人差があり食べることができない人もいること等について話しました。

過去の被災地での活動から知りえたことの一つに「普段食べている物が一番、のどの通りが良いこと」を知ってさらに、解決する手段の一つとして、非常用炊出し袋が有効な手段の一つであることを話しました。

 

 災害時は「ゴミ」を最小限に抑える必要性があること、貴重な水を用いて、少ない水で一定の安全水準を守りながら「災害食」給食ができること。この炊き出し作業を地域の方々が集まって行うことで恐怖心が無くなること。それによって打ちひしがれた心に元気が出てくること等について話しました。

 

 そして最後に、災害時、食べ物を扱う時に必ず守るべきこととして、作業の前の手指の消毒の必要性と、特に高齢者方の「入れ歯と災害食」のことからは、平時の入れ歯の保管場所は洗面所ではなくベッドサイドに置くことを話しました。入れ歯が無くなってもすぐに作ることができないこと。入れ歯がないとこから、食事が非常に不自由になり、空腹が我慢できなくなって食事をすると、歯茎に傷がつき出血等が起こりこれが原因で嚥下障害などを誘引し結果、肺炎を起こし、「災害関連死」という事態に陥ってしまうことがあることを話し、災害食と口腔ケアの関係にも触れて終わりにしました。その後、体験コーナーへ移ってもらいました。

 

 往々にして、目的を明確にしないままに、ただむやみに体験を進めるケースをみます。

今回も、説明をするので集まってくださいと声掛けをすると「いいのです。私たちはいつもこの訓練をやっていますから」といって体験コーナーへ行こうとする方がいました。

私は、話を聞いてからにしてくださいと言って無理やり話をしました。

終わって、その方々に「どうでしたか? あなた方はこのような方法でやられてきましたか?」と質問すると、「やっていませんでした。ただ、コメを入れて水を入れて・・」という訓練でした。これからは、訓練前にこのような方法で取り組みたいと思います」という答えを聞いて役に立てたと思いました。

まだまだ、多くの訓練が行われていますが、それが「いつ、どのような状況で使われるものなのか?」そしてその結果は「どのような効果がでるのか?」という説明がないままに行われている例が多いと思います。そのような訓練が少なくなり解消に繋がればよいなと思いました。

会場では、県内で活動する団体がそれぞれの得意分野の活動の普及に取り組み、来場者の方々へ減災活動の必要性、災害対応のノウハウを伝えていました。

主催者発表ですが来場者は550名を数えています。私たちの担当した「災害食体験」のブースで非常用炊き出し袋の作業を体験された方は360食を数えました。

協力者の方々、支援者の方々そしてこのギャザリングをここまで運営できる取り組みをされた「防災ギャザリング実行委員会」の方々へお礼を申し上げます。

 

******これ以降は興味のある方のみお読みいただければと存じます。*****

 ここで、私自身の記憶が薄れないうちに防災ギャザリングの生い立ちについて私たちが参加した時代からの記憶をたどり記録にしたいと思います。誤りのある部分もあると思いますがお気づきの点がありましたらご遠慮なくご指摘ください。

 

 防災ギャザリングが、横浜で行われるようになったきっかけは、1995年阪神淡路地震のボランティア活動経験者が、神奈川県に戻ってきてこの体験を、この地に発生が予想されている「都市型災害」に備えて、県内で活動しているボランティア団体同士が顔が見える関係を作ろうということで企画されたイベントが、「防災ギャザリング」なのです。

ギャザリング

ギャザリングとは(gathering)= 集合・集まるという意味を言うようです。

 わたしたちの団体は、そのころのことは全く知らないでおりました。

先輩方々からのお話では、当時の防災ギャザリングは、神奈川県も熱心で県民サポートセンターが中心となって、被災地で活動した経験者や学生たちを集めて全館を会場にして行われていたようです。しかし、ご多分に漏れず被災地が復旧し、復興が進むにつれて参加していた特に、活動の中心となった学生たちも社会人になってこのような活動に割ける時間も少なくなるままに徐々に縮小の傾向にありました。私たちが神奈川災害ボランティアで活動していたころは目的もはっきりしないままに前年申し送りの状態でイベントをこなして行く感じで行われていました。

 

  そのような中で現在は活動を退いて、地元での活動に移しています災害救援ボランティア推進委員会の講座の修了者であったセーフテーリーダー(SL)のMさんがもう一度、防災ギャザリングを再建しようということで協力の要請を受けて「セーフティーリーダー(SL)」の一員として私の周囲のメンバーも協力することになりました。

 

 その当時、たまたま、ざま災害ボランティアネットワークが防災活動普及のためのプログラムとして取り組んでいました「体験型防災体験訓練」に興味を持たれた、横浜市のある消防署長が、自分の消防署で同じようなイベントをやろうというお話をいただき有志の関係団体が集まって実施しまずまずの成功を収めました。

その署長の異動がきっかけになり、現在の横浜市民防災センターと沢渡公園を使って県下の防災活動をしているボランティア団体が集結して実施できないかという話をいただき防災ギャザリングがまた復活をし始めました。県民サポートセンターの2階のホールを使った講演会などを含めて、阪神淡路震災の起きた1月中旬の活動として行ってきました。

 

 そのような中で、2011年3月に東日本大震災が発生し、神奈川県は岩手県を中心に支援活動を行おうということになりました。その活動機関として、県民サポートセンターの中に神奈川県、神奈川県社会福祉協議会、神奈川災害ボランティアネットワーク(KSVN)、共同募金会の4団体からなる「かながわボランティアステーション」が設立され、ボランティアスタッフが中心となって「被災地支援ボランティアバス運行事業」を始めました。

その後、神奈川県が岩手県遠野市にボランティア活動者向けの現地活動拠点として無料宿泊所「金太郎ハウス」作ったことから多くのボランティア活動者を3年間にわたって送り出し被災地の支援活動を行うことができました。その運営は、ほとんどすべてを様々な県内外のボランティア・スタッフのかたがたの力で行いました。

このような活動の「種」は防災ギャザリングという活動があってのことだと思います。

神奈川県で活動していた「セーフティーリーダー(SL)」も積極的に活動に参加して、この活動から被災地から離れることができなくなって移住をしたり、時の県職員として現在もなお被災地で復興の仕事に携わっているようです。

 

 しかし、東日本大震災から5年を経過したころから、被災地が徐々に復興地に変わると共に「災害の記憶の風化傾向」が見られるようになり、防災ギャザリングに参加する団体も少なくなり始めて来ました。

これは、どうにもならないことだと思います。今まで中心となって旗を振り続けてきた活動者の方々も加齢ともに引退したり家庭の事情で活動を離れていきました。また、あれほど熱心に支援に取り組んでくださった行政の方々も、人事異動のう中で当時の強烈な体験のない職員の方々に変わることによって活動も単なる通過儀礼的な色彩が強くなり始めています。5年目の活動から1月の活動時期を3月11日を忘れないために3月に移しましたが、一般の参加者が参加しやすい暖かな時期の活動に移そうということになり5月の活動になっています。

 

 この先、この活動は誰が引き継いで続けてゆくのかという分岐点に立たされています。

近い将来というよりも、もっと危機が差し迫る中での発災が想定されている「首都直下地震」は従来想定されていた、「東京湾北部」よりも神奈川県に近い「首都直下域」での発災へ見直されて県の地域防災計画も見直され、東京都との境の川崎市でも震度7の揺れが想定されています。

その災害から、「いのち」を守るための活動として私たちが県知事に具申をして実現した「かながわシェイクアウト訓練」も何とか取り組まれていますが、今一つ纏まり感というか緊張感が感じられない「イベント化」しているような気がしてなりません。

また、ビッグレスキューと銘打った秋の県市総合防災訓練も、私の個人的な感想から見ると県民の方々に「誤解」を与えかねないシナリオによる訓練になっているように感じてなりません。

 

 そのようなことを含めてもう少し市民目線の発災以前の地域での減災活動、発災と同時に「いのち」を命を守る行動訓練、各行政機関の日々の公務員としての「本務」としての住民の「いのち」、財産を守る訓練、さらには、発災から24時間にわたる地域住民の災害対応力向上のための訓練に重点的に予算をつけるなどの政策が必要ではないかと考えます。

さらに、災害救援ボランティア活動団体に対して具体的活動の実績評価に基づく補助金の支給などにも取りくんでくださることを願うのです。

来年度、神奈川災害ボランティアネットワークに活動の指揮者としてお願いしています。県の災害救援ボランティア団体としての要として役割を果たされることをお願いします。

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2017年度 定期総会が行われました

 4月22日(日曜日)座間市総合福祉センター(サニープレイス座間)研修室で、第10回定期総会が開催されました。

気温が急激に上昇して暑い日でしたが、空は青空でした。

ざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)は、ここ数日で会員数が増加しました。これは、2月に開催した市内で活動する現役の方々が関係する団体のリーダーと繋がろうということで多くの方が「サポーター会員」として私たちの会に加入してくださいました。

定刻の10時、中川さんの司会でスタートしました。

議決権を持つ正会員数は39件、出席者33名、委任状6件、合計39件でしたので成立することが報告されました。

議長には、佐々木さん、議事録作成は橋本さんが指名されました。

 

来賓には、座間市市長室長 田原さま、座間市商工会会長 長本さま、座間市危機管理課長 武田さまが出席してくださいました。

座間市は、この土日が、各団体の総会が目白押しのようで市役所、関係団体の責任者の方々は大変お忙しいようです。

 

代表の挨拶に続いて、来賓の方々からご挨拶を頂きました。

 

議長の進行により議案に沿って審議が始まりました。

活動報告は、このページの後段に公開してありますのでご覧下さい。但し、会計関係の書類は会員以外には非公開にしておりますのでご容赦願います。

座間市との協働事業に関する内容は、すべて座間市に報告をしております事を申し添えます。

活動報告に続いて監事より監査報告が行われ問題なく適正に処理されている旨の報告がありました。その後、議長は出席者に対して質問を求めましたが特にないので賛否を問いましたが賛成多数で可決承認されました。

 

続いて、2018年度(平成30年度)の活動計画について代表から説明がありました。

同じく、内容については後段に公開させていただいております。

 

30年度も、7回目となる「座間市いっせい防災行動訓練(Shakeout 2019)」が、座間市とZSVNが協働事業として取り組みます。

しかし、ここ数年協働事業として取り組んできました「市民防災啓発事業」の講座、訓練は引き続き協働事業として実施することになりましたが、諸般の事情でコース数が減少しました。その空いた、時間を使って、ZSVNの自主講座を行うことにしました。

 

もう一つ新しい取り組みとして、消防新庁舎の市民活動エリアの活用の一環として、私たちの会員の多くが災害救援ボランティアとしての基礎的な研修を受講している、《災害救援ボランティア推進委員会》の「災害救援ボランティア養成講座」を座間市消防署の協力をいただいて「県央・相模原講座」として行う計画が説明されました。首都直下地震の際に、救援活動、後方で被災者支援活動に従事する人材を地域で育成することは急務です。そのための講座を3日間を1講座として8月と来年2月に開催する計画です。この修了者が私たちの会員としてつながってくれれば県央、相模原地域の災害対応力は強化するものと考えています。

 

さらに、ZSVNは、2018年7月で設立10周年を迎えます。これを記念してイベントを計画することを諮りました。内容はまだ固まっていませんが、早急に委員会を作って企画をすることを提案しました。

議長は説明の終了を見て、議案についての質問の有無を確認しましたがないようなので賛否を諮ったところ賛成多数で可決承認されました。

 

3号議案は、新年度の役員の選任について提案がありました。副代表の管浪さんが退任を希望されており、その後任に山岡さんを充てることを提案しました。また、監事については稲穂さんから露木さんに交代することを提案しましたところ全会一致で承認されました。

議長は、これを持って総会の審議の終了を告げて司会にマイクを渡しました。

 

その後は、昼食に先駆けて、座間市社会福祉協議会の常務理事の黒部様からご挨拶をいただきました。その後、私たちが様々な面でつながりを持っている作業所「きづき」さんの特製の昼食を食べながら、和気あいあいと懇談をしながら食事をしました。

その後、13時20分散会しました。

これで、新しい期の活動が始まります。会員の皆様の活躍を期待します。お越しくださいました来賓の方々ありがとうございました。

 

なお、2018年度のスタート時の会員数は、正会員数は42名 サポーター会員数は16名となり全員で58名の規模になりました。うちSL修了者は25名です。

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第9回「ぼうさいカフェ」が終わりました

地震で割れてしまうだろうガラス類・・・イメージしてください。
地震で割れてしまうだろうガラス類・・・イメージしてください。

 2018年(H30年)1月16日から19日までの4日間にわたって座間市役所1階の市民ホールを会場として行われました「ぼうさいカフェ」は無事に終えることができました。

この事業は、座間市と協働事業として開催されています。

 

 1995年1月17日 早朝の阪神・淡路地方を襲った地震は、長さ約20キロ、幅約1キロという比較的限定的な範囲の地震でしたが、震度7というわが国で定められている最大の震度を示して大きな被害をもたらせました。何よりも地震直後の圧死、続く出火による延焼などで約6400人の方の「いのち」を奪ってゆきました。

 

 この地震が私たちへ示した最大の影響力は「都市型地震」における複合的な被災状況をまざまざと示したことです。当時の政府は、この地震の教訓を後世に伝えるために、1月17日を中心とした1週間を「防災とボランティアの日」として啓発活動を推進することにしました。この「ぼうさいカフェ」も総理府からの働きかけで市民に対して地震への備え、その後の生活への取り組みを啓発するためのイベントして始まりました。

 

 当時は、多くの自治体が呼びかけに応じて様々なイベントを行ってきました。年を経過するにつれてイベントは立ち消えてゆきました。私たちは、減災や災害対応の活動を啓発するためには、継続した取り組みが必要ではないかと思いながら今年で9回目のイベントに取り組みました。

 

 今年のイベントのテーマは、「備えよう地震に」ですが、特に「地震が来る前」に何をしておけばよいのかということを市民の方へ伝えようと思ってリアルな取り組みをしました。これが「減災活動」です。

 

何よりも安全な居住、生活空間を作るということです。やられないように備えるということです。

①家の耐震診断の実施とその判定への対応、

②家具や大型家電の固定、

③ガラスの飛散防止です。

 

特に、ガラスの飛散防止の取組みは、よりリアルな展示や実演の取り組みをしました。

このガラス扉の「ガラス」が揺れで割れてしまうというイメージが浮かばないのです。

 

最近は、地震の揺れに反応してガラス扉がロックされて中の食器類が飛び出さないようになる格納棚もあります。ところが、現実の地震の揺れは、中の食器が激しく揺れてその揺れによって食器やガラス、瓶類が扉のガラスを割ってしまうのです。

その模擬的な写真が上の写真です。このガラスの上を歩いてしまったらと思うと身の毛がよだつと思います。

残念ながら、会場へ来られた方の約90%の方は、ガラスの飛散防止をしていないのです。

深夜に発災して揺れと同時に電気はすべて切れてしまいます。その中で慌てて寝室から居間やリビングルームに出た瞬間にあなたは大きな傷を被う被災者となり「足手まといの人」になってしまうのです。家具の固定はされているのですが、食器棚のガラスまでは思いが及ばないのですね。

 

 

私たちは、会場にガラスフィルムを貼る体験ブースを出しました。10人に一人ぐらいの方は「やってみようかな」といって体験されますが、あとの方は「そうなの」で終わってしまいます。大丈夫なのかなと心配するのですが本人に意識がなければだめですよね。

 

何を買っておけばよいのですか?」という質問が多いのです。

 

災害が起きる前の「備え」をしてからの話なら何を準備したらよいのか、買っておけばよいのかを説明できますが・・・備え=買うという図式がどこかにあるのですね。

備えは、

①出す・・・(排泄の備え)

②飲む・・・(水の備え)

③食う・・・(食べ物の備え)

④電気の自助・(灯りと情報確保の備え)ですね。

 

これも優先順位があります。

「出す」ことを我慢できた人はいません。あなたもそうですね。

次に「飲む」ことは「いのち」です。人間は食べなくても水がある程度あれば生きることができます。「食べ物」は通常の家族のいる家庭には、どこかかき回せば1日、2日分程度の食べ物はあるはずです。

しかし、次の地震では、物流は止まります。最低でも5日分できれば1週間分のため物を備蓄する必要があります。災害時には、普段食べ慣れているものしか喉に通りません。

防災訓練で出される「非常用アルファー米」がどこにでもあるわけがないのです。また、あのようなものを食べ続けられるわけがないのですね。その時、どうしたらよいのかについて展示をして具体的な方法を説明しました。

どこのお家にも、お米はあるのです。この米を少ない水を活用して食べる方法こそが日本人の「食う」ための秘訣なのです。

市役所の地下1階の売店では「非常用炊き出し袋」がかなり売れたようです。どうか、いつ地震が来ても購入された「炊き出し袋」を使えるように練習しておいてください。

 

 最後に、電気です。来場された多くの皆さんは「懐中電灯はありますか?」と質問すると「玄関に置いてある」「リビングに置いてある」「ベットのわきに置いてある」という答えがありました。「置いてある物」が地震で飛んでしまうことがイメージできないのです。

その上に様々なものが崩れ落ちて来たらどこへ行ったか分からなくなっていまします。

であれば何をどうしたらよいかをお話させていただきました。

「なるほど・・・今日 ホームセンターへ行って買ってきます」とメモを取られていた方がおりました。この活動をやっててよかったと思う瞬間です。

電気はたぶん1週間から10日間は通電しないと思われます。なぜそうなるかの説明は省きますがそのためには、電気も自助しなければならないのです。どうか、私たちが取り組んでいます「マイ発電所プロジェクト」へ参加してください。これを備えれば、灯りと情報は確保できます。

 

 子育て防災の取り組の一環として、現実に避難するときにどの程度の「物」を持って行かなければならないかということを「体感」してもらうための展示もしました。

「うわっ重い」といって「無理!」といわれました。正直な気持ちだと思います。

ではどうしたらよいのかというお話をさせていただきました。ちょっとした日ごろの行動でその問題は解消するのです。

 

 「ぼうさいカフェ」は淹れたてのコーヒー、紅茶、煎茶などを飲みながら災害のことをお話しし雑談のなかから生きる知恵や技を交換するという仕掛けです。9年間続けてきたことは本当に大変でした。愚直に同じことを繰り返し繰り返しお伝えすることが大事だと思いながら取り組んできました。

今年は、天候や曜日の並びの影響を受けてか・・昨年よりもお客様は少なくなってしまいましたが、約440名の市民の方が来てくださいました。私たちはこの方々の1%の方・・・4人の方が備えの行動を変えてくださればそれで良いと思っています。すべての方が変わる…変える力は私たちにはありません。でも、4名の方は行動が変わればおそらく家族を含めても10人の方の「いのち」は守れると思うのです。

このような、地道な活動が「減災」「災害対応」活動だと思います。

ご来場くださった方、このイベントにかかわってくださった関係者の方にお礼を申し上げます。

 

次は、座間市いっせい防災行動訓練(Shakeout+1訓練)です。ぜひ、参加してください。

2017年度社会デザイン賞を受賞しました

 ざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)は、社会デザイン学会(会長:北山晴一氏)http://www.socialdesign-academy.org/ より2017年度 学会奨励賞をいただきました。

 

12月10日、立教大学で授賞式があり会の代表が出席して表彰をいただきました。

今年度の大賞には、「水俣学」で有名な 花田昌宜氏(熊本学園大学教授)が奨励賞には、水島 俊彦(法テラス 八戸法律事務所 代表弁護士)、永岡 鉄平(株式会社フェアスタート 代表取締役)、団体としてざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)が選ばれました。

 

 当会の授賞の理由は、「神奈川県座間市で<地域>を基盤に市民によって設立(2008年)された災害ボランティア団体である。地域では、市民向けの防災・減災セミナーなどを座間市より受託して担う一方、ZSVNが座間市へ提案した、行政と協働した防災訓練(座間市いっせい防災行動訓練 シェイクアウト訓練)の推進・啓発を2013年度から開始し、市民の高い訓練参加率を得ている。

このような、行政主導型ではなく市民協働型事業の取り組みは、地域型災害ボランティア活動の新たな展開として「社会デザイン」の趣旨に相応しく、今後の更なるかつどうを期待して<奨励賞>に推薦する。」ということです。

 

 これは、座間市民(自治会など)、教育機関、保育機関、行政機関、商工関係事業者、介護施設、医療機関、市民活動団体、さらには自衛隊座間駐屯地、在日米陸軍(キャンプ座間)等が総力を挙げて取り組んだ成果だと思っています。授賞の後、奨励賞を受賞者がそれぞれの活動について発表を兼ねたスピーチを行いました。

本事業の大きな特徴は、訓練実施日を毎年1月23日 午前11時と「日にち」を固定したところにあります。多くの自治体では、「曜日」を固定して行っている事例が多いようです。日にちで固定すると、曜日によって変化する現象に対応できずに事業がマンネリ化する危険性があり、単なる防災イベントで終わる危険性があったと思います。

結果、事業スタートから5回の訓練での実績は、昼間人口の約50%を超える「事前参加登録数」を数えています。つまり、座間市の半分の人は、「緊急地震速報」が流れると同時に「わが身と家族の安全の確保」ができるということです。

 

 さらに、2014年度から付加した「シェイクアウト・プラス1訓練」においては参加者の工夫によって年々と取り組み内容が進化しています。2016年度の土曜日(閉庁日)の訓練では、座間市は「フルスケール訓練」を計画し、職員参集訓練と、地域防災計画で各セクションに与えられている災害初動任務を実際に実行するなど「リアルな訓練」に取り組みました。併せて、小田急電鉄と協力して、「災害時駅頭混乱対応訓練」に次いで「帰宅困難者誘導訓練」にも取り組み、ZSVNは帰宅困難者に対するサポートとして「エイドステーション開設・運営訓練」を行いました。

このような、活動の内容をパワーポイントを使って訓練状況の動画や写真で紹介しました。

出席された関係者の方々は、この取り組みに大きな関心を持たれたようです。

 

 その後、大賞を受賞された花田教授による基調講演が行われました。

先生は、水俣病の研究ではなく、水俣病がもたらせた患者、自治体、企業そして国(当時の厚生省並びに環境庁)の対応さらに、何次にも及んだ訴訟問題のもたらせた社会的な影響や地元水俣の風土、高度成長政策がもたらした負の遺産である各地の公害問題との関連から社会学の側面から、このような横断的、総合的な課題を研究し続けてきています。

 

 その研究活動の基本は、すべて現場主義に基づくフィールド活動が基本になっているようです。現場を見ないで政府の委員となって患者の判定を行う研究者に対して違和感を持っておりその構造が時代に対してどのような結果をもたらすのかという側面からも研究を重ねてきたようです。

 

 「水俣学」という在り方には、「学問」という体系をなさないではないかという意見もあるようですが、学問自体が時代の中で変わってゆく必要があるのではないかという見地から、モード1の学問分野(従来からの縦割りに体系化された学問)に対して、モード2の学問分野という視点から融合的に研究が行われなければ、結局は学問が学者のための、学会のためのという閉鎖的なままで終わることになり「役に立つ」ことという学問の本来の存在価値を見失うのではないか。このような危機を乗り越えるためにも「水俣学」が必要だと考えられたように感じました。

 

 かつては「社会学」という分野はなかった学問であり、それぞれが人類学とか経済学のように独立していてそれぞれが狭義の事象について研究を続けてきた歴史がありました。

しかし世界全体が「総合的な視点」でなければ眼前に現れる事象を解決できないというようになり人間と環境、人間とその行動などを関連付けて見てゆかなければ解決できない課題があることから学問分野を横から串を刺して関連付ける中から「社会学」が生み出されてきたように感じました。水俣病を医学的に分析するだけならば、被害者の救済は医学的分野の原因と結果という枠組みの中にとどまってしまうことを危惧され、となれば被害者二世(胎児水俣病)も救済されないことになる。また、水俣病を考えるにあたっても、患者対企業と国の連合組織という対決だけでは解決できず、漁民、工場労働者等も参画する協議体の中から解決策を求めなければ「怨念」だけが残るのではないかという思いがあったのではないかと感じました。

このような、総合的、多眼的、俯瞰的な学問が今後の時代を創造するのかなと浅学の私には心に残りました。

先生ご自身は、2016年4月の熊本地震で被災され自宅も全壊して現在もみなし仮設住宅にお住いになりながら教壇にお立ちになられているようです。また、災害時に障がい者を受け入れる避難所がないことがわかり、大学の中に障がい者用の避難所を開設しピーク時には約60名の障がい者を受け入れて避難所運営者として活動をされたこともお話にありました。防災という事象も総合学であるように感じ取り組まれたのではないかと推察しました。その意味からも、現場主義に徹した研究者であり教育者であることを感じました。

 

 表彰式後、パーティーがあり皆さんと交流をさせていただきましたが、座間市とZSVNの協働事業については興味を持たれている方々が多く、質問をいただきました。座間市並びに私たちの活動の方向性は誤っていなかったという自信をもって会場を後にしました。

このような賞をいただけたのも市長をはじめ担当部課の職員の方々のお力、そして私たち会員の努力の積み重ねだと思い関係者に感謝の意を申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

学童保育スタッフ研修をしました

11月8日。

今日は座間市学童ホームのスタッフ対象の「危機管理セミナー」を担当させていただきました。

実は、9年間の活動を経て見えてきた課題が「学童ホーム」の危機管理なのです。

ご存知の通り、学童ホームというのは、小学校1年生から6年生の学童で、保護者が働いている家庭への支援事業として各自治体市区町村の「子育て担当セクション」が担当して展開している事業なのです。(所管は厚生労働省)

ちょっと道がそれますが、今、話題になっている保育園の待機数(希望しても入所できない)・・・これは、働いている保護者のために幼児を預かる保育所へ入れない事態を取り上げているのです。見落とされているのは、小学校へ入った児童でも同じ現象が起きているのに話題に出てこないのです。現に私の住む町でも待機学童が出ています。

とにかく、子どもを育てる環境が未整備な国なのですね。「一億総活躍」なんていうフレーズは打ち上げても、このような末端の現象が把握されていないのが今の政治なのでしょうね。残念です。

 話を戻します。

 児童は、学校にいる間は学校という枠組みの中で、何かあれば守ってもらえます。

しかし、下校して帰宅した後は一人きりです。このリスクの高い世の中に子供を一人残すわけにはいきませんよね。昔なら近所のおばちゃんやおじさんたちが見てくれました。しかし、今は多くの町ではのぞむことができなくなりました。

そこで設置されたのが「学童保育」という制度です。

ところが、これを監督する組織は余りにも弱いことに気づきました。私たちは平成27年度に担当した、「保育園スタッフ減災・災害対応研修」の経験を活かしていくつかの提案をさせていただきました。残念ながら、担当課は、組織の改組によって繁忙を極めてるので対応はしにくいというお話でした。

  しかし、現実はどうなのか?ということで本年1月に、私たちも現場を拝見して提案の糸口をつかもうということを考えて、市内で民間が受託して学童保育をしている施設で子どもを交えたセミナーを行い学童保育の雰囲気を把握させていただきました。 このような準備を行ってのセミナーでした。

座間市には、11か所の学童ホームと、民間委託ホームが3か所あります。今回は、市が運営するホームのスタッフに対するセミナーでした。約65名及び担当課の職員が参加していました。

私たちは、現在の子供を取り巻く社会は、非常に厳しい環境になってきていると感じています。その意味からも従来の自然災害に対応する「防災」という狭い概念ではなく、社会のあらゆる事象に対応してゆくリスクマネジメント(危機管理)というとらえ方が必要ではないかということでセミナーを進めました。

非常に残念ですが、先日、座間市で悲惨な事件が起きてしまいました。

このようなことは起きないと考えるのが普通の社会モラルだと思いますが、現実には事件が起きてしまいました。この反省に立っても、子どもたちの安全・安心は必要なことではないかと思います。 

座間市は、シェイクアウト訓練に取り組んで満5年たちました。学童には災害から身を守る必要性は浸透し始めています。学校の授業の総合の学習に「豪際」「災害」を考える学校も増えてきました。ところが、その保護者は日々の生活を追いかけるのが忙しく「災害を自分たち家族のこと」としてとらえる考えを持つ方は多くありません。

 その状況で「災害」が起きてしまった時、子どもを預かる「児童ホーム」の役割は本当に重要な立場にあることになります。簡単なイメージトレーニングをさせていただきました。

しかし、発災後にホームの指導員として子供たちを守るための行動を具体的にかつ、時系列で考えられる方はあまりいないように感じました。これは、市としてもきちんとしたさらなる研修が必要ではないかという提案をセミナーの中でも申し上げました。

 初めての試みで市としても手探り状況のところもあると思います。このセミナーから見えてきた課題について一緒に考え、子どもたちが安全な環境で放課後を過ごすことができるようにしたいと思いました。

 

さらに言えば、小学生が約6000人がいるようですが、学童保育に登録している児童は約600名です。後の90%の学童の放課後・・・その時に災害が起きた時果たしてどうなるのかという課題にも行き着きました。当然、自宅で家族と過ごしている子供もいます。民間の学童保育も徐々にですが増えています。習い事、スポーツクラブ、学習塾などに通う子もいますので過剰な心配は不要だと思いますが、災害で子どもの「いのち」を失うことにない社会を作り出すことにも取り組まなければならないと改めて考える機会をいただきました。ありがとうございました。