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RED「参加型防災訓練」活動報告

       NPO法人ZSVN+SLかながわネットの皆様
       NPO法人ZSVN+SLかながわネットの皆様

 2011年11月19日 スカイアリーナ座間市市民体育館並びに座間市消防本部を会場に、RED(Real

 Elemental Disaster)《参加型防災訓練》が開催されました。

 主催は一社)座間市青年会議所 公社)須賀川青年会議所 後援:座間市、社福)座間市社会福祉協議会、須賀川社会福祉協議会、公益社団法人SL災害ボランティアネットワーク・かながわ、座間市教育委員会から組織された、大々的な「防災訓練」です。

 私たち、ざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)は、今まで積み重ねてきた「減災」「災害対応」の知見を活かす場所として、お越しになられた市民の方々へ知識と技を伝える分野を担当させていただきました。

県内の活動の仲間SL(SafetyLeader)に参加を呼びかけました。

 しかし、多くの市町がここ数年、各種防災のための活動を止めていましたが、一斉に解禁になったこともあってイベントがbookingして予定の数に達なかったのですが、個々のSLの方が持てる力を発揮して参加された方々へ説明をさせて頂きました。

 ここ数週間、我が国周縁部並びに国土の中で「有感地震」増えています。そのような、環境の中で、「もし首都を襲う」大規模な、地震、ゲリラ豪雨並びに洪水そして火山噴火が起きた時に、残念なことですが、「公」による初動時期の災害対応は、広域で発生する被災現場のほんの一部にしか対応できない・・・これは、過去の災害現場から私たちは「厳しい現実」を学んでいます。

であれば、「公」が対応できないところでは、住民みずからが繋がりあって対応せざるを得なくなると思います。

 発災後の72時間は「いのちの時間」と言われています。限られた「公の活動」が必要な場所に集中的に投入できるためように協力しなければならないと思います。その方法の一助として市民の私たちが、自らの力で自分の命、家族の命を守る、さらに「向こう三軒両隣」のつながりお互いに助け合うことで被害の拡大を抑え、行政の負担を軽減させるために、何をしたらよいのかを知っていただくことを体験していただきました。

 

 これらの危機管理の総合的な意見交換の会議「座間市超長会議」が行われました。

主催者の座間市青年会議所をはじめ、座間市長、消防庁、消防団、陸上自衛隊第4施設群などの公の機関とその外側で、共に活動している座間市社会福祉協議会、当団体そして、防災普及学生団体(鎌倉市)の8団体による意見交換が行われました。思った以上に会場が広く、音響の設備にも多少無理があるように感じました。次回の会議では今回の課題を活かして欲しいと感じました。

 

 市民中心の活動科目としては、

《STEP 01》で「災害体験」からスタートします。このステップには➀地震災害の体験 ②豪雨災害の体験 ③火山災害が準備されていて、の中から体験してみたいものを選んでスタートします。

 

 《STEP 02》 に進みます。ここでは避難行動を取るのために必要な「避難準備訓練」を体験します。

このパートは、市民の私たちにとっては重要な部分です。この「備え」の良しあしが命に繋がるということです。参加された方々はどのよう思われたのか、興味のあるところです。

 

 《STEP 03》「避難訓練」のでは「避難」というものの本質を分かって欲しいと思いました。

 なんどとなく、書かせていただいています。避難とは「難(災い)」を「避ける」という意味です。避難所へ集まることではありません。今や、「新しい生活様式」の中で政府から呼びかけられている方法は、「密を避ける」ということです。避難についても、「分散避難」が推奨されています。避難所は決して「安全」な場所ではないことを伝えて学んでほしいのです。まだまだ、避難=避難所へ集まるという意識でその先を考えられていない状況があります。

 「災害時一番困ること」は。「排泄」です。普段何気なく使っている「水」が止まります。そうすると、水洗トイレは使えなくなります。さて・・・・どうなりますか?

模型のトイレを使って、お家のトイレを使えるために必要な準備と方法を説明しました。今まで排泄を我慢しきった人はいないのです。不用意に「屋外で排泄」することは衛生環境を悪くする行為です。

 食べ物はどうしますか?と質問しますと「非常食」を用意していますと答えられるのですが・・・賞味期間の管理は?と質問しますと真剣に管理していないという答えが多かったようです。高額の非常食…災害のことに食べることの行為をまとめて「災害食」というのが当世のトレンドです。すでに、専門家の方々による「災害食学会」が設置されて、各種の災害に対応する研究が進められています。

私たちが勧めているのは、「非常用炊出し袋」の普及です。米と水分と熱源があれば、日本人の主食である温かな主食を口にすることができることを普及するために、参加者に体験していただきました。小さなお子さんも一生懸命取り組んでくれました。

 

 在宅避難で一番最後に困るのが過去の災害を見ても「停電」は避けられません。その時、あなたは電気をどのように対応するのかについて実機を展示して説明と、次回のワークショップについて説明をしました。

現在、当団体は、マイ発電所PTという活動を展開しています。DIY感覚で自分の家の電気を作る方法を伝えています。もし電気が止まったら?という質問をかけ続けました。残念ながら、災害と停電の関係は「背中合わせ」の課題です。2019年に起きた千葉県での台風被害であっても、完全に電気が復旧したのは10日を要しています。「なーに、3日で戻るよ」という方もいますが安易に考えてはならないと思います。首都機能が請わさえる災害です。復旧の眼は首都東京へ向かってしまいます。多くの市民の方々が興味を持たれたようです。

 

 避難所での避難生活を選択した人は、会場内に作られた模擬避難所を体験できるようになっています。

ここでも最初は、避難所のトイレの体験です。次いで、座間総合病院の看護師さんによる応急手当の体験があります。いよいよ模擬避難所です。「わーっ。思った以上にプライバシーが確保されている」という声が聞こえましたが、説明を受けるにしたがって、避難所生活の大変さを知ってくださったようです。避難所は最後の砦です。ここでしか生活できない人のための施設であることを理解して「お家避難」の備えを徹底をしてほしいと思いました。

 

 最後に、避難所では生活できない条件の方々もおられます。特にペットについては同行避難は飼い主さんの準備が良ければ避難所で受け入れますが、避難所内には持ち込むことは禁止されています。最近、特に心配なのは「多頭飼育」が多くいなっていることです。動物を飼育することは「災害時」のことも考えて同じいのちの保護者として責任を持って欲しいと思います。

 このようなケースを考えて最近では車両による避難が見られます。座間市では、詳細については決まっていません。展示車両避難についてもトヨタ自動車の協力を頂き展示をしました。

現実には、これも、安易に校庭への進入は認められません。校庭は、災害対応車両の基地になります。また、避難所内には傷病者がいます。体調を崩す方もおります。トイレの設置場所も決めなければならないのです。これらの避難所としてのインフラが固まったのちに何台の車両が入ることができるかを決めて初めて、車両避難が決まってきます。おそらく、5日間程度の日数がかかると思います。このような、ルールがまだまだ未策定な状況があります。

避難所の生活のし難さを真剣に考えてもらえればいいなーと思いました。

 消防署の方では、豪雨災害の体験ができるようになっていました。約600人の方々が疑似豪雨を体験していました。

 体育館の玄関前では、協賛いただけた業者の方々による防災グッズの販売が行われていました。

16時、事故もなく無事に終えることが出来ました。市民力でこのような大型の防災訓練ができる土壌を構築することができた座間市青年会議所の会員のかた敬意を表します。わが会員もお役に立てたことに誇りをもつことができました。「SLヽ(^o^)丿」です。 

いつも私どもの訓練に協力いただいている座間市以外から応援に入ってくださいましたSLの皆さん本当にありがとうございました。

 なお、この会場の個々の活動を「数値化」して捉えることを考えて、SLメンバーのH氏の経営する株式会社コンサイドの「ジョイ・リンクス」が活躍しました。スタッフの方々にもお骨折りを頂きました。ありがとうございました。