学童保育スタッフ研修をしました

11月8日。

今日は座間市学童ホームのスタッフ対象の「危機管理セミナー」を担当させていただきました。

実は、9年間の活動を経て見えてきた課題が「学童ホーム」の危機管理なのです。

ご存知の通り、学童ホームというのは、小学校1年生から6年生の学童で、保護者が働いている家庭への支援事業として各自治体市区町村の「子育て担当セクション」が担当して展開している事業なのです。(所管は厚生労働省)

ちょっと道がそれますが、今、話題になっている保育園の待機数(希望しても入所できない)・・・これは、働いている保護者のために幼児を預かる保育所へ入れない事態を取り上げているのです。見落とされているのは、小学校へ入った児童でも同じ現象が起きているのに話題に出てこないのです。現に私の住む町でも待機学童が出ています。

とにかく、子どもを育てる環境が未整備な国なのですね。「一億総活躍」なんていうフレーズは打ち上げても、このような末端の現象が把握されていないのが今の政治なのでしょうね。残念です。

 話を戻します。

 児童は、学校にいる間は学校という枠組みの中で、何かあれば守ってもらえます。

しかし、下校して帰宅した後は一人きりです。このリスクの高い世の中に子供を一人残すわけにはいきませんよね。昔なら近所のおばちゃんやおじさんたちが見てくれました。しかし、今は多くの町ではのぞむことができなくなりました。

そこで設置されたのが「学童保育」という制度です。

ところが、これを監督する組織は余りにも弱いことに気づきました。私たちは平成27年度に担当した、「保育園スタッフ減災・災害対応研修」の経験を活かしていくつかの提案をさせていただきました。残念ながら、担当課は、組織の改組によって繁忙を極めてるので対応はしにくいというお話でした。

  しかし、現実はどうなのか?ということで本年1月に、私たちも現場を拝見して提案の糸口をつかもうということを考えて、市内で民間が受託して学童保育をしている施設で子どもを交えたセミナーを行い学童保育の雰囲気を把握させていただきました。 このような準備を行ってのセミナーでした。

座間市には、11か所の学童ホームと、民間委託ホームが3か所あります。今回は、市が運営するホームのスタッフに対するセミナーでした。約65名及び担当課の職員が参加していました。

私たちは、現在の子供を取り巻く社会は、非常に厳しい環境になってきていると感じています。その意味からも従来の自然災害に対応する「防災」という狭い概念ではなく、社会のあらゆる事象に対応してゆくリスクマネジメント(危機管理)というとらえ方が必要ではないかということでセミナーを進めました。

非常に残念ですが、先日、座間市で悲惨な事件が起きてしまいました。

このようなことは起きないと考えるのが普通の社会モラルだと思いますが、現実には事件が起きてしまいました。この反省に立っても、子どもたちの安全・安心は必要なことではないかと思います。 

座間市は、シェイクアウト訓練に取り組んで満5年たちました。学童には災害から身を守る必要性は浸透し始めています。学校の授業の総合の学習に「豪際」「災害」を考える学校も増えてきました。ところが、その保護者は日々の生活を追いかけるのが忙しく「災害を自分たち家族のこと」としてとらえる考えを持つ方は多くありません。

 その状況で「災害」が起きてしまった時、子どもを預かる「児童ホーム」の役割は本当に重要な立場にあることになります。簡単なイメージトレーニングをさせていただきました。

しかし、発災後にホームの指導員として子供たちを守るための行動を具体的にかつ、時系列で考えられる方はあまりいないように感じました。これは、市としてもきちんとしたさらなる研修が必要ではないかという提案をセミナーの中でも申し上げました。

 初めての試みで市としても手探り状況のところもあると思います。このセミナーから見えてきた課題について一緒に考え、子どもたちが安全な環境で放課後を過ごすことができるようにしたいと思いました。

 

さらに言えば、小学生が約6000人がいるようですが、学童保育に登録している児童は約600名です。後の90%の学童の放課後・・・その時に災害が起きた時果たしてどうなるのかという課題にも行き着きました。当然、自宅で家族と過ごしている子供もいます。民間の学童保育も徐々にですが増えています。習い事、スポーツクラブ、学習塾などに通う子もいますので過剰な心配は不要だと思いますが、災害で子どもの「いのち」を失うことにない社会を作り出すことにも取り組まなければならないと改めて考える機会をいただきました。ありがとうございました。