栗原小学校の全学年対象、防災授業を担当させていただきました。

 10月22日、23日と座間市立栗原小学校で「防災授業」を担当させていただきました。

22日は、5,6年生(A)を対象に、23日は、1,2年生(B)と3,4年生(C)を対象に行いました。

Aが約170名、Bが200名、Cが170名 合計540名を対象にした授業でした。


このお話をいただいたのは8月の終わりでした。学校との何回かの打ち合わせの中で1コマ45分の中で収める授業形式で、体験型で身体を動かしながら学べる授業を進めて欲しいというかなりハードルの高い課題をいただきました。

ZSVNの中で何回かの検討を重ねて1年生から4年生は身を守るために必要な体験を、5年生、6年生は、助けられる人から助ける人へということをテーマにプランを作りました。


座間市は3年前から、ZSVNの提唱により協働事業として「座間市いっせい防災行動訓練(シェイクアウト訓練)」に取り組んでいます。来年(27年)1月23日にも3回目を実施すべく全市を挙げて参加者の登録申し込みを受け付けています。

そのようなことから、。緊急地震速報についての対応行動の基本はできていると考えました。

そこで、何よりも「いのち」を守ることが一番大事であること。他人に頼らずに自分で自分の「いのち」を守ることを基本に、4年生までは身体を守った後の行動として、「(避難のため)足を守る」ということから「新聞紙スリッパつくり」のワークショップを提案しました。

5年、6年生は、ガラスの飛散防止の大切さ・・・・「地震が来る前の備えの大切さ」と発災後に大事な「トイレをことを考える」「水のことを考える」ということを体験授業として計画しました。こちらのプログラムはやや盛りだくさんで時間内に終えることが出来るか、全員が体験できるか心配でしたが、学校もこの企画を進めたいということでしたので取り組みました。この、授業のために説明用の動画も作成しました。


22日、Aグループの授業は13時50分から始まりました。初めに緊急地震速報対応訓練(シェイクアウト訓練)を行いまっしたが、突然の発報で一瞬きょとんとしていた児童もいましたが、笛の合図とともに体育館の中で身を守る行動をとることが出来ました。

その後、20年前の「阪神淡路大震災」の時の震度6強の動画を見てもらいました。さすがに驚いた様子でした。私は、君たちが巻き込まれる可能性がある地震は、このように揺れが強い地震なのだよということを話しました。

だからこそ、けがを防ぐために必要なガラスの飛散防止が必要であるということを話し動画を見せました。

心配していたように時間が押してきました。そこで他の動画を省略してトイレと、水の運搬は簡単な説明に切り替えました。電気が止まると水が止まる。水が止まるとトイレが使えなくなる。トイレはどのように我慢しても我慢ができない。そこで家庭用のトイレの使い方について機材を使って説明をしました。

次に、水が出なくなり、備蓄している水が無くなると学校の校庭の地下に蓄えられている貯水槽から水を運ぶ必要があること。その水をポンプを使って小分けにしないと使えないこと・・・という現実の話をしてポンプの使い方を説明しました。

ここで残り時間15分。全員が準備されたブースで体験を行いました。水体験コーナーを4セット、トイレ体験コーナーを3セット、ガラス飛散防止体験のコーナーを6セット準備しました。

残念ながら全員が体験することはできませんでした。しかし、災害のことを自分のこととして考えることは解ってくれたと思い授業を終えました。


23日は、9時35分~1,2年生、10時40分~3,4年生を対象に「新聞紙スリッパつくり」のワークショップを含めた授業を行いました。初めに、前日と同じにシェイクアウト訓練を行いました。反応は昨日よりも良かったと思います。シェイクアウト訓練は、学年が上がるほどに「照れ」が出てきて行動が遅くなる傾向があります。

この学年には、昨日の地震の動画は見せませんでした。よく、この種の授業を見ていて恐怖心をあおるような方法が行われている場面を見受けますが、やはり発達段階に応じて使い分ける必要があると感じます。

私の経験で、ある学校のPTAからの依頼の防災イベントの打ち合わせの時に、阪神淡路の発災直後の動画を役員の方々に見ていただきました。その時、泣き出してしまった役員の方を見たことがありました。あとでお聞きすると、阪神淡路の体験者で当時の恐怖心がよみがえってきたらしく申し訳ないことをしてしまったとお詫びをしたことがあります。それ以降は、必ず、予告のクレジットを入れることを心掛けています。


児童は5人ほどのグループに分かれて、各自持ってきた新聞紙を体育館の床いっぱいに広げてインストラクターの指導の下にスリッパを作りました。個人差が大きく、すぐに取り組んでいる児童もいる反面、新聞紙の縦横がはっきりしない児童もいます。グループ内では児童同士で手伝いながらスリッパを作っていました。出来上がったグループから体育館の後方に敷かれたブルーシートの上に広げた「ペットボトルキャップ」の上を素足で歩いてもらいました。その後に、保護者があらかじめ準備したもう片方のスリッパをはいてキャップの上を歩き、家の中に起こるガレキ、ガラスから身を守ることをイメージしてもらいました。授業は、意外とスムーズに進めることが出来たと思います。

これも、ZSVNのメンバー(両日とも約12名~13名)が参加して一丸となって取り組んだ結果だと思います。ご苦労様でした。


授業井終了後、校長先生と反省会を行いました。やはり、5,6年生の授業は2コマが必要だということになりました。また、先生は校長会などを通じて防災教育の必要性を説いてゆきたいということをおっしゃられていました。とにかく必要なことは、どのように小さなテーマでも継続的に実施し学校の体制とすることが必要であることをお願いしておきました。

たまたま、今日は学校の「オープンスクール」でしたので保護者の方も多数見学に来られていました。保護者の方々にもお手伝いをいただきました。ありがとうございました。