やなせ幼稚園「体験・減災・災害対応講座」を支援しました。

 2月6日。今日は、私立やなせ幼稚園の保護者を対象とした「体験型減災・災害対応講座」の日です。

寒い朝でしたが、早朝から、ZSVNメンバーそして保護者会の役員の方々が準備に取り組まれ熱気あふれる活動でした。この園とのお付き合いは長く、災害対応には非常に熱心に取り組んできています。

 

 体験型は昨年からですが、先ずは、「非常用炊飯袋」による炊飯準備から始まりました、。昨日も書かせていただきましたがこの袋が災害時に地域を支える力となることは事実だと思います。中越地震の時にもその後の中越沖地震の時にも活躍しています。

 

昨年体験されている保護者の方が、新しく参加された方へ教える姿を見てうれしく思いました。災害対応活動は「訓練」では伝わりにくいのです。結局は「感化」なのです。このようにして広がってくれることが活動者として一番楽しいことなのです。準備作業が終わり、全員集合で講座のスタートとなりました。

 

 はじめに、「生き残ろなければ何も始まらない」という肝心要の話から入らせていただきました。

突然、教室の前のスクリーンに緊急地震速報のテロップと音を流しましたが、受講者の反応はきわめて遅くかろうじて約25秒で全員が防御姿勢を取り終わりました。

災害に対する対応力は極めて弱いというか、意識がないということがわかりました。

1月23日の座間市いっせい防災行動訓練への参加者を確認しましたが約10%程度の方しか参加していないのです。

 

 園児や生徒、学生はすべて参加して防御姿勢を取っているのに保護者の方がまったく無関心ということは「災害孤児」を生む原因になるということを話させていただきました。

座間市でも南関東区域でM7.3クラスの地震が発生すれば震度6クラスの揺れに襲われるのです。

備蓄食料や水は備えられているようですが、それは誰のために備えているのか?ということを「生きる」という関係で認識していないように感じました。

もしあなたが死んでしまったら備蓄した食糧や水は無駄になってしまうことをまず考え「生き残れるために」自分は、家族は何をしなければならないかということを考えて欲しいと話しました。

漠然とTVや雑誌などで「備蓄」と言われて備えているのでは何もならない、愛する家族を守り抜くために保護者は絶対にけがや死んではならないのです。

 

 次に、「隣助」の大切さを話しました。「隣助」とは「向こう三軒両隣」のことでありこの関係がきちんと確立されていないと災害を乗り越えるのは非常に厳しいわけです。

どうしても最近のお母さま方は、何となく近所の方は面倒だと考えがちのようです。しかし、いざという時に、二人の子供を連れて安全な場所へ避難するという場合、あなたは一人でその難局を乗り越えられるのかということをリアルに考えて欲しいのです。めんどくさくても自治会に入ることは結果として「保険」になるのですね。

 

 話を締めくくり休憩の後に3グループに分かれて、「三角巾を使った応急手当」「身近なものを使った応急手当」「簡易搬送方法」について学びました。

災害時には、救急車も十分に機能しなくなります。道路も果たして無事なのかわかりません。

そのような中で、けがをした我が子や近所の方に対してどうやって応急処置をするのか大事なことなのです。

短い時間の体験でしたがこれを機会にもう少し深く学びたいのでしたら消防署の講習などもあります。

きっかけにしていただければと思いました。

 

 配布させていただいた資料の中に「わが家の防災会議議事録」という紙を入れてあります。これは、家族の間で最低限決めておく必要のある項目を整理した表です。活用して備えてください。

 

 災害をイメージして生活するということはちょっと苦痛に感じるかもしれませんが、慣れれば何でもないことです。今、地震が起きたら行動はどのようにしようと頭の隅に置きながら生活することがサバイバルの原点なのですね。ご苦労様でした。