座間小学校PTA成人委員会防災講座を支援させていただきました。

シェイクアウト安全行動
シェイクアウト安全行動
10月22日。座間小学校PTA成人委員会主催の「防災講座」を支援させていただきました。

座間市は、旧八王子街道(絹の道)のあたりは、いわゆる「地の人」が多く住んでいる地域である。
古い家並みもあり庭も広く空き地も多くある。血縁関係も強く昔からお互いに助け合って生活をしてきた地域である。今回、この計画を主催する座間小学校は市内でも最古の学校でその歴史は明治28年に開校し今年で約120年の歴史を誇っている学校である。そのような関係から、「消防」「水防」のつながりは強い土地柄であ...るが「地震災害」という観点からはやや関心が薄いように感じていました。
ところがここ数年休耕田などが宅地転用されることによって新住民が増えてきて座間市内のほかの地域と同じような環境が変わってきた。住民や保護者のなかにも「地震災害のことを考えようよ」という動きが出てきたようで今回の企画に至ったようです。この話が出てから、実行委員の方々と何回かの打ち合わせを重ね、メールでやり取りしながら22日を迎えました。

 打ち合わせの中で、私たちが約5年間市内の他の地域や学校で行ってきた活動の話をさせていただきました。すると委員の方から、講座だけではなく「体験課目」的な要素も入れて欲しいという要望をいただきました。そこで、入門編として「炊飯袋」による炊飯体験を行いながらワークショップが終わった後、全員で「災害食」の給食を食べることにしました。
 企画の募集を始めて間もなく、受講申し込み数は予定の30名がすぐに埋まってしまったようでした。
学校が工事中ということもあって今回は近くの公民館の調理室と研修室をお借りして行いました。

 講座の流れは、いつものように「生き残らなければ何も始まらない」ということを強く理解してもらうために「いっせい防災行動訓練(シェイクアウト)」を行いました。講座の最中に「緊急地震速報」のチャイム音とテロップを流してどのような行動を取るのか各自に任せました。
一瞬、「何・・・これ」「本物なの?」「ウソでしょう」という感じでお互いの顔を見合ったり、ほかの人の動きをちらっと見て机の下に潜り込みました。完全に防御姿勢が取れるまでの時間、約50秒・・・・??? 微妙。

 私は、今年の1月23日午前11時に行われた「座間市いっせい防災行動訓練」へ参加した人について質問をさせていただきました。残念ながら2、3人の方しか参加していませんでした。全市の幼稚園、保育園、学校では全生徒が参加して身を守っています。もし、皆さんが今のように地震からの防御行動が遅くて運悪く、死んでしまったら「災害孤児」が出てしまうことをイメージしてくださいということのお話をしました。

 そして、「発災後の3:3:3」をテーマに、3分間の行動、3時間の行動について各人でイメージをしてもらいグループで整理して行動をまとめてもらいました。3分間にできることなんてほとんどないのです。このことをしっかりとイメージしてほしいのです。正解はありません。しかし、発災前には必ず「緊急地震速報」が鳴るのです。その警報音を考えればかなりの余裕はあるはずです。それでも、行動は極めて限られてしまいます。このことをイメージしていつでも思い浮かべ手直ししてゆくことが生き残る唯一の方法なのです。つまり、だれも助けてくれない時間すなわち「自助」という意味を話しました。

 次いで、助かった後からの3時間の行動をイメージして書き出した貰いました。残念ながら一番大切なことが抜け落ちていました。それは、自宅の被害の確認・・・・第一に「出火していないか」の確認です。自宅にいた家族の安全確認と救出と救護です。そして、「向こう三軒両隣の確認」なのです。それ以上大きなことは出火のないことを確認し消火活動に取り組んでほしいのです。3時間なんかあっという間に過ぎてしまいます。この、隣同士の助け合いをZSVNの講座では「隣助」と呼んでいます・・・というような話をしてまとめました。
講座の時間の関係で、最後の「3日間の行動」については、協働事業のBコースを受講してもらうことを案内させていただきました。

 最後に、まとめとして災害に対してリアルに考える必要性を話しました。とはいっても…その時には「市」が何とかしてくれるとか、座間市には「自衛隊」もいるから安心だなんて考えてもだめなことを具体的な数字を使って話しました。行政職員も、自衛隊員も地域へ帰れば一般市民です。災害時には被災者になる可能性だってあるのです。行政は、市民に対応したくてもできないという現実があるのです。「絶対」ということはないということを私たちは東日本大震災から学んだはずです。結局は、自分(たち)のことは、「自分(たち)で考え自分(たち)で行動する」ということに行き着くのです。これが「自助」なのです。

 そして、地域での減災活動や災害他愛王活動は、行政機関を頼らずに自分たちの力で計画して行うことが大事であること、見学型、展示型の訓練は役に立つことが少ない…体験型訓練を推進してゆくことを話しました。ざま災害ボランティアネットワークはこの考え方を、年2回の、「体験型 減災・災害対応訓練」として市内を巡回しながら開催しています。このようなイベントへ積極的に参加してノウハウをつかんで地域で広めてほしいことをお願いしました。

 講座が終わり、講座前に各自が炊飯の仕込みをしたご飯を「災害食」として食べる体験をしました。
皆さん興味深く見ていて自分の手で自分のお昼ご飯を作って食べていました。
アルファー化米の備蓄はわずかな量です。しかし、どこの家にもお米はあります。これを使ってどのようにして乗り切ってゆくかという体験です。好評のうちに講座は終わりました。

委員の皆様の努力に感服しました。会場の準備、資料の準備なども整然と行われて本当に団結力を感じました。このつながりこそが、災害時の「お隣力」⇒「隣助」だと思います。いつまでもこの成功事例を忘れないでつなげていってほしいと思いました。お疲れ様でした。